きちんと掃除をしているつもりでも、梅雨時期などで湿度が高い日が続くと出てきてしまうのがカビ。
皆さんもカビで嫌な思いをした経験がありますよね。
今回はカビの基本的な性質などをご紹介します。
カビの知識を身に付け、カビとうまく付き合うことで、カビの生えない部屋作りを目指しましょう。
【そもそもカビとは】
カビは「真菌(しんきん)」という菌のグループに分類され、キノコや酵母菌も真菌に分類されます。
カビは糸状の菌糸を伸ばして成長していきます。その後、胞子という植物でいう種のようなものを作り、空気中に放出します。この胞子がまた別の場所に着地して、菌糸を伸ばして成長する(コロニーを形成する)というサイクルを繰り返します。
「カビの胞子は目に見えない厄介者」
この空気中に放出されるカビの胞子ですが、目に見えない大きさで、家の中、屋外などあらゆる環境下で浮遊しています。つまり、あらゆる場所でカビが発生する可能性があるということになります。
家の中では特に、埃が溜まりやすい床の上にカビの胞子もたくさん集まります。
安易に掃除機をかけると余計にカビの胞子を舞い上げるというリスクがあります。ドライシートでそっと床を拭き上げた後、掃除機をかけるのが理想的です。
「カビの胞子はゼロにできない」
そんな厄介なカビの胞子を完全に排除できれば楽なのですが、なかなかそうもいきません。空気清浄機などを使用して部屋に浮遊するカビの胞子を減らすことは可能。ですが、外からの空気と一緒に新たなカビの胞子が入ってきます。カビの胞子とはいたちごっこの繰り返しです。
(空気清浄機の使用にも注意が必要で、適切な管理を怠ると、空気清浄機のフィルター等にカビが発生してしまい、空気清浄機からカビの胞子が飛散…となることもしばしば)
なので、私たちはカビの胞子と共存して生活することになります。
カビの発育条件を揃えない
一般的に「カビが発育する(生える)」とは、胞子が着地してそこで発育した状態(コロニー)のことをいいます。
カビは条件が揃うと発育するため、「カビの発育条件を揃えない」ことがカビとうまく付き合うポイントです。
カビが発育する条件とは次の3つ。
- 温度 5〜45℃
- 湿度 80%以上
- 栄養 汚れ
「温度」~人間とカビの快適な温度は同じ~
カビの発育温帯度は5~45℃ですが、最適温度は20℃~30℃前後のため、私たち人間が快適に生活できる温度帯でカビも元気に発育します。
そのため、温度を制御してカビ対策をすることはできません。
「湿度」~部屋の湿度は40〜60%に~
一般に湿度80%を超えるとカビの最適環境となり、活発に発育・増殖します。(一部、15%~50%でも発育するカビもあります)
しかし部屋の湿度に関しては、湿度を下げすぎると私たち人間が乾燥で喉を痛めたり、風邪などのウイルスが活発になるなど、私たちの体調に影響してしまいますね。
そのため、部屋の湿度は40〜60%程度に保ちましょう。
しかし、部屋全体の湿度は40〜60%でも、カビが生えることがありますよね。水があればカビは発育するため、水回り、壁や窓の結露など水分がある箇所で、カビは発育できます。
これらを踏まえて、場所別のカビ対策を確認していきましょう。
浴室
特に湿度が高くなる場所です。入浴後は速やかに換気、余裕のある方は水切りができるとさらにカビを予防できます。
水回り・窓の結露
油断すると濡れたまま放置しがちな箇所です。カビは発育が早いので、すぐに水気を拭き上げることが重要です。
窓付近・風通しの悪い場所
窓付近は結露ができるのと同じく、部屋と外との温度差で湿度が上がりやすいです。
また、風通しの悪い場所として、クローゼット、下駄箱、家具の裏等が挙げられます。風通しが悪いと湿気も溜まりやすいため、カビの温床になります。
対策として、
- 部屋の換気
- 除湿剤・除湿器の使用
- 家具は壁や隣り合う家具との隙間を開けて設置
- 風通しの悪い場所ではサーキュレーター等で空気を循環
などが挙げられます。
クローゼットや下駄箱は特に空気が循環できずに湿度が高くなりがちです。サーキュレーター等で強制的に空気を循環させ、湿度を下げることを心掛けましょう。
「栄養」~洗剤もカビの栄養!?~
埃や皮脂、食べかすなどを含む汚れがカビの栄養になるのはもちろん、洗剤のすすぎ残しもカビの栄養となってしまいます。掃除をしっかり行い、洗剤を使用する際は、すすぎ残し・拭き残しがないよう気をつけましょう。
まとめ
カビ予防には、カビの発育条件である「温度」、「湿度」、「栄養」を揃えないことが重要。
カビの最適温度は私たち人間が生活する温度と同じため、「湿度」と「栄養」に注意する必要があります。
カビ予防のポイント
「湿度」
- 部屋の湿度は40~60%程度に
- 浴室は入浴後すぐに換気
- 水回り・窓の結露の拭き上げ
- 定期的な部屋の換気(窓付近などは特に湿度が上がりやすいため)
- 家具は壁・隣り合う家具との隙間を開けて設置
- サーキュレーター等で家具裏・クローゼット・下駄箱の空気の循環
- クローゼット・下駄箱への除湿器の使用・除湿剤の設置
「栄養」
- 掃除による埃・汚れ(皮脂、食べかす等)の除去
- 洗剤使用の際はすすぎ残し・拭き残しに注意
以上のことに注意して、カビを発育させないお家にしていきましょう。